第1講 貨運法1


第1編 貨物自動車運送事業法(貨運法)









1. 目的(法第1条)

法(貨運法) 第1条
この法律は、貨物自動車運送事業の運営を適正かつ合理的なものとするとともに、貨物自動車運送に関するこの法律及びこの法律に基づく措置の遵守等を図るための民間団体等による自主的な活動を促進することにより、輸送の安全を確保するとともに、貨物自動車運送事業の健全な発達を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。








2. 定義(法第2条)

● この法律において「貨物自動車運送事業」とは、
 ① 一般貨物自動車運送事業、
 ② 特定貨物自動車運送事業及び
 ③ 貨物軽自動車運送事業をいう。



● ①「一般貨物自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のもの。



● ②「特定貨物自動車運送事業」とは、特定の者の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く)を使用して貨物を運送する事業。



● ③「貨物軽自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車に限る。)を使用して貨物を運送する事業。



● 特別積合せ貨物運送と貨物自動車利用運送は貨物自動車運送事業に含まれない。







3. 一般貨物自動車運送事業の許可(法第3条)

法第3条
一般貨物自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。




● 一般貨物自動車運送事業を経営するための許可を受けようとする者は、申請書を大臣に提出しなければならない(法第4条第1項)。



● 申請書には、事業用自動車の運行管理の体制その他の国土交通省令で定める事項を記載した書類を添付しなければならない(法第4条第3項)。







4. 事業計画(法第8条)

法第8条
一般貨物自動車運送事業者は、その業務を行う場合には、事業計画に定めるところに従わなければならない。




● 国交大臣は、一般貨物自動車運送事業者が前項の事業計画の定めに違反していると認めるときは、その一般貨物自動車運送事業者に対し、事業計画に従い業務を行うべきことを命ずることができる。







5. 事業計画の変更(第9条)

(1) 原則

法第9条
一般貨物自動車運送事業者は、事業計画の変更(第三項に規定するものを除く。)をしようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。




● 原則として認可無しでは変更出来ないが、例外として届出で足りる場合がある。



(2) 例外

● 事業用自動車に関する国土交通省令で定める事業計画の変更をする場合、あらかじめその旨を、大臣に届出。



● 省令で定める軽微な事項に関する事業計画(下の①~④)の変更をしたときは、遅滞なくその旨を、国土交通大臣に届出。(第3項)
 ① 主たる事務所の名称及び位置の変更
 ② 営業所又は荷扱所の名称の変更
 ③ 営業所又は荷扱所の位置の変更(貨物自動車利用運送のみに係るもの及び地方運輸局長が指定する区域内におけるものに限る。)
 ④ 業務の範囲、貨物の保管体制を必要とする場合にあっては保管施設の概要、利用する運送を行う一般貨物自動車運送事業者又は特定貨物自動車運送事業者の概要の変更








6. 運送約款(法第10条)

(1) 約款を定める場合(第10条第1項)

法10条
一般貨物自動車運送事業者は、運送約款を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。




● 大臣は、認可をしようとするときは
 ① 荷主の正当な利益を害するおそれがないものであること
 ② 少なくとも運賃及び料金の収受並びに一般貨物自動車運送事業者の責任に関する事項が明確に定められているものであること。
以上の2つの基準をもってしなくてはならない。



(2) 約款を変更する場合(第10条第1項・第3項)

① 原則

● 約款を変更しようとするときも、大臣の認可を受けなければならない



② 例外

● 大臣が標準運送約款を定めて公示した場合、一般貨物自動車運送事業者が、標準運送約款と同一の運送約款を定め、又は現に定めている運送約款を標準運送約款と同一のものに変更したときは、その運送約款については、第1項の規定による認可を受けたものとみなす。








7. 運賃及び料金(法第11条・事業報告規則第2条)

(1) 運賃及び料金等の掲示(第11条)

法第11条
一般貨物自動車運送事業者は、運賃及び料金(個人を対象とするものに限る。)、運送約款その他国土交通省令で定める事項を主たる事務所その他の営業所において公衆に見やすいように掲示しなければならない。






● 法人相手の場合は掲示義務なし。また、個人の場合も、事業として又は事業のために運送契約の当事者となる場合には掲示義務はない。



(2) 運賃及び料金の届出(事業報告規則第2条の2)

● 運賃及び料金を定め又は変更したときは、運賃及び料金の設定又は変更後30日以内に、下記①~⑤の事項を記載した運賃料金設定(変更)届出書を、一般貨物自動車運送事業及び特定貨物自動車運送事業に係るものにあっては所轄地方運輸局長に、貨物軽自動車運送事業に係るものにあってはその主たる事務所の所在地を管轄する運輸監理部長又は運輸支局長に、それぞれ提出しなければならない。
 ① 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
 ② 事業の種別(一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業又は貨物軽自動車運送事業の別をいう。)
 ③ 設定し、又は変更しようとする運賃及び料金を適用する運行系統又は地域
 ④ 設定し、又は変更しようとする運賃及び料金の種類、額及び適用方法(変更の届出の場合にあっては、新旧の対照を明示すること。)
 ⑤ 実施日





今回学習した分野の一問一答
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第2講 貨運法2

第1編 貨物自動車運送事業法(貨運法)







8. 輸送の安全(法第17条)

法第17条
一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の数、荷役その他の事業用自動車の運転に附帯する作業の状況等に応じて必要となる員数の運転者及びその他の従業員の確保、事業用自動車の運転者がその休憩又は睡眠のために利用することができる施設の整備、事業用自動車の運転者の適切な勤務時間及び乗務時間の設定その他事業用自動車の運転者の過労運転を防止するために必要な措置を講じなければならない。





(1) 事業者の責務

● 一般貨物自動車運送事業者は、
 ① 事業用自動車の最大積載量を超える積載をすることとなる運送(以下「過積載による運送」という。)の引受け、
 ② 過積載による運送を前提とする事業用自動車の運行計画の作成及び
 ③ 事業用自動車の運転者その他の従業員に対する過積載による運送の指示をしてはならない。(第17条第2項)



● 一般貨物自動車運送事業者は、輸送の安全を確保するため、国土交通省令で定める事項を遵守しなければならない。 (第17条第3項)



● 事業用自動車の運転者及び運転の補助に従事する従業員は、運行の安全を確保するため、国土交通省令で定める事項を遵守しなければならない。 (第17条第4項)



● 貨物自動車運送事業者は、経営の責任者の責務を定めることその他の国土交通大臣が告示で定める措置を講ずることにより、絶えず輸送の安全性の向上に努めなければならない(安全規則第2条の2)。



● 一般貨物自動車運送事業者等は、毎事業年度の経過後100日以内に、
 ① 輸送の安全に関する基本的な方針、
 ② 輸送の安全に関する目標及びその達成状況、
 ③ 自動車事故報告規則に規定する事故の統計、
以上の①~3について、インターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならない。 (安全規則第2条の8第1項)



● 一般貨物自動車運送事業者等は、貨運法の規定による処分(輸送の安全に係るものに限る。)を受けたときは、遅滞なく、当該処分の内容並びに当該処分に基づき講じた措置及び講じようとする措置の内容をインターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならない。 (安全規則第2条の8第2項)



● 一般貨物自動車運送事業者等は、事業計画に従い業務を行うに必要な員数の事業用自動車の運転者を常時選任しておかなければならない。運転者は、日々雇い入れられる者、二月以内の期間を定めて使用される者又は試みの使用期間中の者(十四日を超えて引き続き使用されるに至った者を除く。)であってはならない。(安全規則第3条第1項・第2項)



● 事業者は、乗務員及び事業用自動車の運転の補助に従事する従業員(以下、乗務員という)が有効に利用することができるように、休憩に必要な施設を整備し、及び乗務員に睡眠を与える必要がある場合にあっては睡眠に必要な施設を整備し、並びにこれらの施設を適切に管理し、及び保守しなければならない。(安全規則第3条第3項)



● 貨物自動車運送事業者は、休憩又は睡眠のための時間及び勤務が終了した後の休息のための時間が十分に確保されるように、国土交通大臣が告示で定める基準に従って、運転者の勤務時間及び乗務時間を定め、当該運転者にこれらを遵守させなければならない。(安全規則第3条第4項)



● 貨物自動車運送事業者は、酒気を帯びた状態にある乗務員を事業用自動車に乗務させてはならない。(安全規則第3条第5項)



● 貨物自動車運送事業者は、乗務員の健康状態の把握に努め、疾病、疲労その他の理由により安全な運転をし、又はその補助をすることができないおそれがある乗務員を事業用自動車に乗務させてはならない。(安全規則第3条第6項)



● 一般貨物自動車運送事業者等は、運転者が長距離運転又は夜間の運転に従事する場合であって、疲労等により安全な運転を継続することができないおそれがあるときは、あらかじめ、当該運転者と交替するための運転者を配置しておかなければならない。(安全規則第3条第7項)



● 特別積合せ貨物運送を行う一般貨物自動車運送事業者は、当該特別積合せ貨物運送に係る運行系統であって起点から終点までの距離が100キロメートルを超えるものごとに、
 ① 主な地点間の運転時分及び平均速度、
 ② 乗務員が休憩又は睡眠をする地点及び時間、
 ③ 交替するための運転者を配置する場合にあっては、運転を交替する地点
の①~③について事業用自動車の乗務に関する基準を定め、かつ、当該基準の遵守について乗務員に対する適切な指導及び監督を行わなければならない。(安全規則第3条第8項)



● 貨物自動車運送事業者は、過積載による運送の防止について、運転者その他の従業員に対する適切な指導及び監督を怠ってはならない。 (安全規則第4条)



● 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車に貨物を積載するときは、
 ① 偏荷重が生じないように積載し、また、
 ② 貨物が運搬中に荷崩れ等により事業用自動車から落下することを防止するため、貨物にロープ又はシートを掛けること等必要な措置を講じなくてはならない。(安全規則第5条)



● 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の保管の用に供する自動車車庫を適切に確保しておかなければならない。(安全規則第6条)



● 一般貨物自動車運送事業者は、貨物自動車利用運送を行う場合にあっては、その利用する運送を行う事業者が貨物自動車運送事業法の規定又は安全管理規程を遵守することにより輸送の安全を確保することを阻害する行為をしてはならない。(法第22条の2)



● 国土交通大臣は、一般貨物自動車運送事業者が、貨運法の規定又は安全管理規程を遵守していないため輸送の安全が確保されていないと認めるときは、当該一般貨物自動車運送事業者に対し、必要な員数の運転者の確保、事業用自動車の運行計画の改善、運行管理者に対する必要な権限の付与、貨物自動車利用運送を行う場合におけるその利用する運送を行う一般貨物自動車運送事業者又は特定貨物自動車運送事業者の輸送の安全の確保を阻害する行為の停止、当該安全管理規程の遵守その他その是正のために必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。(法第23条)



● 大臣は、事業者が過積載による運送を行ったことにより、貨物自動車運送事業法の規定による命令又は処分をする場合において、
 ① 当該命令又は処分に係る過積載による運送が荷主の指示に基づき行われたことが明らかであると認められ、かつ、
 ② 当該事業者に対する命令又は処分のみによっては当該過積載による運送の再発防止することが困難であると認められるときは、
当該荷主に対しても、当該過積載による運送の再発の防止を図るため適当な措置を執るべきことを勧告することができる。(法第64条1項)



(2) 乗務員が遵守すべき事項(安全規則第16条~第17条)

① 乗務員(安全規則第16条)

● 貨物自動車運送事業者の乗務員は、事業用自動車の乗務について、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
 ① 酒気を帯びて乗務しないこと。
 ② 過積載をした事業用自動車に乗務しないこと。
 ③ 事業用自動車に貨物を積載するときは、適切に積載すること。
 ④ 事業用自動車の故障等により踏切内で運行不能となったときは、速やかに列車に対し適切な防護措置をとること。

② 運転者(安全規則第17条)

● 貨物自動車運送事業者の運転者は、前条に定めるもののほか、事業用自動車の乗務について、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
 ① 酒気を帯びた状態にあるときは、その旨を貨物自動車運送事業者に申し出ること。(第1号)
 ①-2 疾病、疲労その他の理由により安全な運転をすることができないおそれがあるときは、その旨を貨物自動車運送事業者に申し出ること。(第1号の2)
 ② 道路運送車両法の規定による点検(日常点検)を実施し、又はその確認をすること。(第2号)
 ③ 乗務を開始しようとするとき、必要な場合の乗務の途中及び乗務を終了したときは、貨物自動車運送事業者が行う点呼を受け、貨物自動車運送事業者に報告をすること(第3号)。
 ④ 乗務を終了して他の運転者と交替するときは、交替する運転者に対し、当該乗務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況について通告すること(第4号)。
 ⑤ 他の運転者と交替して乗務を開始しようとするときは、当該他の運転者から前号の規定による通告を受け、当該事業用自動車の制動装置、走行装置その他の重要な装置の機能について点検をすること(第5号)。
 ⑥ 乗務等の記録(記録すべき事項を運行記録計による記録に付記する場合にあっては、その付記による記録)をすること(一般貨物自動車運送事業者等の運転者に限る)(第6号)。
 ⑦ 一般貨物自動車運送事業者等が作成する運行指示書を乗務中携行し、運行指示書の記載事項に変更が生じた場合に携行している運行指示書に当該変更の内容を記載すること(第7号)。
 ⑧ 踏切を通過するときは、変速装置を操作しないこと(第8号)。

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第3講 貨運法3

第1編 貨物自動車運送事業法(貨運法)







9. 運行管理者(法第18条)

法第18条第1項
一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務を行わせるため、国土交通省令で定めるところにより、運行管理者資格者証の交付を受けている者のうちから、運行管理者を選任しなければならない。





● 事業者は、各営業所において、一定数以上の運行管理者を選任しなければならない。事業用自動車29台までは1人以上。30台から59台までは2人以上。それ以後、1+事業用自動車/30の人数が必要(安全規則18条1項)。



● 一の営業所において複数の運行管理者を選任する一般貨物自動車運送事業者等は、それらの業務を統括する運行管理者(統括運行管理者)を選任しなければならない(安全規則第18条第2項)。



● 事業者は、所定の運行管理者資格者証を有する者又は、国土交通大臣が認定する講習を修了した者から、運行管理者の業務を補助させるための者(補助者)を選任することができる(安全規則第18条第3項)。



(1) 運行管理者の業務(安全規則第20条)

法第18条第2項
前項の運行管理者の業務の範囲は、国土交通省令で定める。





● 18条2項を受けて定められた省令(安全規則20条)では以下の17(19)の運行管理者の業務を規定している。
 ① 一般貨物自動車運送事業者等により運転者として選任された者以外の者に事業用自動車を運転させないこと。
 ② 乗務員が休憩又は睡眠のために利用することができる施設を適切に管理すること。
 ③ 勤務時間及び乗務時間の範囲内において乗務割を作成し、これに従い運転者を事業用自動車に乗務させること。
 ④ 酒気を帯びた乗務員を事業用自動車に乗務させないこと。
 ④-2 疾病、疲労その他の理由により安全な運転・補助ができないおそれのある乗務員を事業用自動車に乗務させないこと。
 ⑤ 運転者が長距離運転又は夜間の運転に従事する場合であって、疲労等により安全な運転を継続することができないおそれがあるときは、あらかじめ、当該運転者と交替するための運転者を配置すること。
 ⑥ 過積載による運送の防止について、運転者その他の従業員に対する適切な指導及び監督行うこと。
 ⑦ 物の積載方法について、従業員に対する指導及び監督を行うこと。
 ⑧ 運転者に対して点呼を行い、報告を求め、確認を行い、及び指示を与え、並びに記録し、及びその記録を保存し、並びにアルコール検知器を常時有効に保持すること。
 ⑨ 運転者に対して常務の記録をさせ、及びその記録を保存すること。
 ⑩ 運行記録計を管理し、及びその記録を保存すること
 ⑪ 運行記録することのできない事業用自動車を運行の用に供さないこと。
 ⑫ 事故の記録をし、及びその記録を当該事業用自動車の運行を管理する営業所において3年間保存すること。
 ⑫-2 運行指示書を作成し、運転者に携行させ、保存をすること。
 ⑬ 運転者台帳を作成し、営業所に備え置くこと。
 ⑭ 事業用自動車に備えられた非常信号用具及び消火器の取扱いについて、乗務員に対する指導、監督及び特別な指導を行い、運転者に適性診断を受けさせること。
 ⑮ 異常気象その他の理由により輸送の安全の確保に支障を生ずるおそれがあるときは、乗務員に対する適切な指示その他輸送の安全を確保するために必要な措置を講ずること。
 ⑯ 補助者に対する指導及び監督を行うこと。
 ⑰ 事故防止対策に基づき、事業用自動車の運行の安全の確保について、従業員に対する指導及び監督を行うこと。



● 運行管理者は、一般貨物自動車運送事業者等に対し、事業用自動車の運行の安全の確保に関し必要な事項について助言を行うことができる(安全規則第20条第3項)。



● 一般貨物自動車運送事業者は、運行管理者に対し、以上の①~⑰業務を行うため必要な権限を与えなければならない(法第22条第2項)。



● 一般貨物自動車運送事業者は、運行管理者がその業務として行う助言を尊重しなければならず、事業用自動車の運転者その他の従業員は、運行管理者がその業務として行う指導に従わなければならない(法第22条第3項)。



法第18条第3項
一般貨物自動車運送事業者は、第一項の規定により運行管理者を選任したときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。





(2) 運行管理規程(安全規則第21条)

● 一般貨物自動車運送事業者等は、運行管理者の職務及び権限、統括運行管理者を選任しなければならない営業所にあってはその職務及び権限並びに事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務の処理基準に関する規程(以下「運行管理規程」という。)を定めなければならない。(第1項)



● 運行管理規程に定める運行管理者の権限は、少なくとも運行管理者の業務(安全規則第20条)を処理するに足りるものでなければならない。(第2項)



(3) 運行管理者の指導及び監督(安全規則第22条)

● 一般貨物自動車運送事業者等は、運行管理者の業務の適確な処理及び運行管理規程の遵守について、運行管理者に対する適切な指導及び監督を行わなければならない。



(4) 運行管理者の講習(安全規則第23条)

① 講習を受けさせなくてはならない者

● 一般貨物自動車運送事業者等は、国土交通大臣が告示で定めるところにより、次に掲げる①~③の運行管理者に国土交通大臣が告示で定める講習であって国土交通大臣の認定を受けたものを受けさせなければならない。
 ① 死者若しくは重傷者が生じた事故を引き起こした事業用自動車の運行を管理する営業所又は営業停止命令・許可取消しの処分の処分(輸送の安全に係るものに限る。)の原因となった違反行為が行われた営業所において選任している者には、事故等があった日から1年(やむを得ない理由がある場合にあっては、1年6ヶ月)以内においてできる限り速やかに特別講習を受講させなければならない。(1項、H24国交省告示455号第5条)
 ② 運行管理者として新たに選任した者には、基礎講習又は、一般講習(基礎講習を受講していない当該運行管理者にあっては、基礎講習)を受講させなければならない。(2項、H24国交省告示455号第4条第1項)
 ③ 最後に国土交通大臣が認定する講習を受講した日の属する年度の翌年度の末日を経過した者には、基礎講習又は一般講習を受講させなければならない。(3項、H24国交省告示455号第4条第3項)



(5) 運行管理者資格者証(法第19・第20条)

① 資格者証の交付(第19条)

● 大臣は、次のいずれかに該当する者に対し、運行管理者資格者証を交付する。
 ① 運行管理者試験に合格した者
 ② 事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務について5年以上の実務の経験、その5年の間に大臣が告示で定める講習で大臣の認定した者を5回以上受講した者(安全規則第24条)



● 国土交通大臣は、前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者に対しては、運行管理者資格者証の交付を行わないことができる。
 ① 運行管理者資格者証の返納を命ぜられ、その日から二年を経過しない者
 ② 貨運法若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反し、貨運法の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者



② 資格者証の訂正(安全規則第26条)

● 資格者証の交付を受けている者は、氏名に変更を生じたときは、運行管理者資格者証訂正申請書をその住所地を管轄する地方運輸局長に提出し、資格者証の訂正を受けるか、訂正に代えて資格者証の再交付を受けなければならない。(安全規則第26条)



③ 資格者証の返納(法第20条)



法第20条
国土交通大臣は、運行管理者資格者証の交付を受けている者がこの法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、その運行管理者資格者証の返納を命ずることができる。





● 資格者証を失ったために資格者証の再交付を受けた者は、失った資格者証を発見したときは、遅滞なく、発見した資格者証をその住所地を管轄する地方運輸局長に返納しなければならない。(安全規則第28条第1項)

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第4講 貨運法4

第1編 貨物自動車運送事業法(貨運法)








10. 点呼等(安全規則第7条)

(1) 乗務前(安全規則第7条第1項)

● 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の乗務を開始しようとする運転者に対し、対面(運行上やむを得ない場合は電話その他の方法。)により点呼を行い、次に掲げる事項について報告を求め、及び確認を行い、並びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない。
 ① 酒気帯びの有無
 ② 疾病、疲労その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無
 ③ 道路運送車両法の規定による点検(日常点検)の実施又はその確認




● ただし、輸送の安全の確保に関する取組が優良であると認められる営業所において、貨物自動車運送事業者が点呼を行う場合にあっては、当該貨物自動車運送事業者は、対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定めた機器による点呼を行うことができる。



(2) 乗務後(安全規則法第7条第2項)


● 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の乗務を終了した運転者に対し、対面(運行上やむを得ない場合は電話その他の方法。)により点呼を行い、当該乗務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況及び酒気帯びの有無について確認を行わなければならない。



● 他の運転者と交替した場合にあっては、交替する運転者に対し、当該乗務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況について通告したことの報告を受ける。



● 乗務後の点呼も輸送の安全の確保に関する取組が優良であると認められる営業所において、大臣が定めた機器による点呼を行うことができる。




(3) 乗務の途中(安全規則法第7条第3項)



● 貨物自動車運送事業者は、乗務前の点呼・乗務後の点呼のいずれも対面で行うことができない乗務を行う運転者に対し、乗務前の点呼・乗務後の点呼のほかに、当該乗務の途中において少なくとも一回電話その他の方法により点呼を行い、下記①と②について報告を求め、及び確認を行い、並びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない。
 ① 酒気帯びの有無
 ② 疾病、疲労その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無



(4) アルコール探知機(安全規則第7条第4項)

● 貨物自動車運送事業者は、アルコール検知器を営業所ごとに備え、常時有効に保持するとともに、法令の規定により点呼時に酒気帯びの有無について確認を行う場合には、運転者の状態を目視等で確認するほか、当該運転者の属する営業所に備えられたアルコール検知器を用いて行わなければならない。



(5) 記録と保存(安全規則第7条第5項)

● 貨物自動車運送事業者は、点呼を行い、報告を求め、確認を行い、及び指示をしたときは、運転者ごとに点呼を行った旨、報告、確認及び指示の内容並びに次に掲げる①~⑤の事項を記録し、かつ、その記録を1年間保存しなければならない。
 ① 点呼を行った者及び点呼を受けた運転者の氏名
 ② 点呼を受けた運転者が乗務する事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示
 ③ 点呼の日時
 ④ 点呼の方法
 ⑤ その他必要な事項








11. 乗務等の記録・運行記録計(安全規則第8・第9条)


● 一般貨物自動車運送事業者等は、事業用自動車に係る運転者の乗務について、当該乗務を行った運転者ごとに次に掲げる事項を記録させ、かつ、その記録を1年間保存しなければならない。
 ① 運転者の氏名
 ② 乗務した事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示
 ③ 乗務の開始及び終了の地点及び日時並びに主な経過地点及び乗務した距離
 ④ 運転を交替した場合、その地点及び日時
 ⑤ 休憩又は睡眠をした場合、その地点及び日時
 ⑥ 車両総重量が8トン以上又は最大積載量が5トン以上の普通自動車である事業用自動車に乗務した場合にあっては、貨物の積載状況
 ⑦ 道交法に規定する交通事故、事故報告規則に規定する事故又は著しい運行の遅延その他の異常な状態が発生した場合にあっては、その概要及び原因
 ⑧ 運行指示書の指示があった場合、その内容




● 乗務等の記録について、運転者ごとに記録させることに代え、運行記録計により記録することができる。この場合、当該記録すべき事項のうち運行記録計により記録された事項以外の事項を運転者ごとに運行記録計による記録に付記させなければならない。
運行記録計による記録




● 一般貨物自動車運送事業者等は、次の①~③の事業用自動車に係る運転者の乗務について、当該事業用自動車の瞬間速度、運行距離及び運行時間を運行記録計により記録し、かつ、その記録を1年間保存しなければならない。
 ① 車両総重量が8トン以上又は最大積載量が5トン以上の普通自動車である事業用自動車
 ② ①の事業用自動車に該当する被けん引自動車をけん引するけん引自動車である事業用自動車
①・②の他、特別積合せ貨物運送に係る運行系統に配置する事業用自動車

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第5講 貨運法5

第1編 貨物自動車運送事業法(貨運法)









12. 運行指示書(安全規則第9条の3)

(1) 指示・携行の義務(安全規則第9条の3第1項)

● 一般貨物自動車運送事業者等は、乗務前の点呼・乗務後の点呼のいずれも対面で行うことができない乗務を行う運転者の乗務ごとに、次の①~⑦の事項を記載した運行指示書を作成し、これにより事業用自動車の運転者に対し適切な指示を行い、及びこれを当該運転者に携行させなければならない。
 ① 運行の開始及び終了の地点及び日時
 ② 乗務員の氏名
 ③ 運行の経路並びに主な経過地における発車及び到着の日時
 ④ 運行に際して注意を要する箇所の位置
 ⑤ 乗務員の休憩地点及び休憩時間(休憩がある場合に限る。)
 ⑥ 乗務員の運転又は業務の交替の地点(運転又は業務の交替がある場合に限る。)
 ⑦ その他運行の安全を確保するために必要な事項



(2) 内容の変更(安全規則第9条の3第2項)

● 一般貨物自動車運送事業者等は、乗務前の点呼・乗務後の点呼のいずれも対面で行うことができない乗務を行う運転者の運行の途中において、
 ① 運行の開始及び終了の地点及び日時、又は、
 ② 運行の経路並びに主な経過地における発車及び到着の日時
に変更が生じた場合には、運行指示書の写しに当該変更の内容を記載し、これにより運転者に対し電話その他の方法により当該変更の内容について適切な指示を行い、及び当該運転者が携行している運行指示書に当該変更の内容を記載させなければならない。



(3) 途中から指示書が必要な運行に変更した場合(安全規則第9条の3第3項)

● 一般貨物自動車運送事業者等は、運行指示書を作成する必要のない運行の途中において、事業用自動車の運転者に運行指示書を作成する必要のある乗務を行わせることとなった場合には、当該乗務以後の運行について、運行指示書を作成し、及びこれにより当該運転者に対し電話その他の方法により適切な指示を行わなければならない。



(4) 保存期間(安全規則第9条の3第4項)

● 一般貨物自動車運送事業者等は、運行指示書及びその写しを運行の終了の日から一年間保存しなければならない。








13. 運転者台帳(安全規則第9条の5)

● 一般貨物自動車運送事業者等は、運転者ごとに、下記①~⑧に掲げる事項を記載し、かつ、運転者台帳の作成前6月以内に撮影した単独、上三分身、無帽、正面、無背景の写真をはり付けた運転者台帳を作成し、これを当該運転者の属する営業所に備えて置かなければならない(同条第1項)。
 ① 作成番号及び作成年月日
 ② 事業者の氏名又は名称
 ③ 運転者の氏名、生年月日及び住所
 ④ 雇入れの年月日及び運転者に選任された年月日
 ⑤ 道交法に規定す運転免許証の番号及び有効期限・運転免許の年月日及び種類・運転免許に条件が付されている場合は、条件
 ⑥ 事故を引き起こした場合又は道交法の規定による通知(事業用車輌が事故を起こした場合等に使用者に対して行われる通知)を受けた場合は、その概要
 ⑦ 運転者の健康状態
 ⑧ 特別な指導の実施及び適性診断の受診の状況



● 一般貨物自動車運送事業者等は、運転者が転任、退職その他の理由により運転者でなくなった場合には、直ちに、当該運転者に係る前項の運転者台帳に運転者でなくなった年月日及び理由を記載し、これを3年間保存しなければならない(同条第2項)。








14. 従業員に対する指導及び監督(安全規則第10条)

● 貨物自動車運送事業者は、国交大臣が告示で定めるところにより、当該貨物自動車運送事業に係る主な道路の状況その他の事業用自動車の運行に関する状況、その状況の下において事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な運転の技術及び法令に基づき自動車の運転に関して遵守すべき事項について、運転者に対する適切な指導及び監督をしなければならない。この場合においては、その日時、場所及び内容並びに指導及び監督を行った者及び受けた者を記録し、かつ、その記録を営業所において3年間保存しなければならない。 (第1項)



● 一般貨物自動車運送事業者等は、国土交通大臣が告示で定めるところにより、次の①~③の運転者に対して、事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき事項について(1)特別な指導を行い、かつ、大臣が告示で定める(2)適性診断であって大臣の認定を受けたものを受けさせなければならない。(第2項)
 ① 死者又は負傷者が生じた事故を引き起こした者(事故惹起運転者)
 ② 運転者として新たに雇い入れた者(初任運転者)
 ③ 65才以上の者(高齢運転者)



● 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車に備えられた非常信号用具及び消火器の取扱いについて、当該事業用自動車の乗務員に対する適切な指導をしなければならない。 (第3項)



● 貨物自動車運送事業者は、従業員に対し、効果的かつ適切に指導及び監督を行うため、輸送の安全に関する基本的な方針の策定その他の国土交通大臣が告示で定める措置を講じなければならない。(第4項)



(1) 特別な指導(国交省告示第1366号)

① 事故惹起運転者

I. 時期

● 事故後再度トラックに乗務する前に実施。



● ただし、やむを得ない事情がある場合には、再度乗務を開始した後1ヶ月以内に実施。



● なお、外部の専門的機関における指導講習を受講する予定である場合は、この限りでない。



II. 内容

● 事業用自動車の運行の安全及び旅客の安全の確保に関する法令等に基づき運転者が遵守すべき事項を再確認させる等、合計6時間以上実施。



② 初任運転者

I. 時期

● 当該事業者において初めてトラックに乗務する前に実施。



● ただし、やむを得ない事情がある場合には、乗務を開始した後1ヶ月以内に実施。



II. 内容



● 事業用自動車の安全な運転に関する基本的事項を理解させる等、合計6時間以上実施。



③ 高齢運転者

I. 時期

● 適性診断の結果判明後1ヶ月以内に実施。



II. 内容

● 適性診断結果より運転者が安全な運転方法を自ら考えるよう指導する。



(2) 適性診断(国交省告示第1366号)

① 事故惹起運転者

I. 時期

● 事故後再度トラックに乗務する前に実施する。



● ただし、やむを得ない事情がある場合には、再度乗務を開始した後1ヶ月以内に実施する。



II. 対象者

● ①死者又は重傷者を生じた交通事故を引き起こし、かつ、当該事故前の1年間に交通事故を引き起こしたことがある者。②死者又は重傷者を生じた交通事故を引き起こし、かつ、当該事故前の1年間に交通事故を引き起こしたことがない者、及び、軽傷者を生じた交通事故を引き起こし、かつ、当該事故前の3年間に交通事故を引き起こしたことがある者。



● 上記①、②の区分ごとにそれぞれの区分の運転者のための適性診断として国交大臣が認定した者を受診させる。



② 初任運転者



I. 時期

● 当該事業者において初めてトラックに乗務する前に実施。



● ただし、やむを得ない事情がある場合、乗務を開始後1ヶ月以内に実施。



II. 対象者

● ①初任運転者、及び、②運転者として常時選任するために雇い入れた初任運転者以外の者であって、当該事業者において初めてトラックに乗務する前3年間に初任運転者のための適性診断を受診したことがない者。



③ 高齢運転者

I. 時期

● 65歳に達した日以後の1年以内に1回とその後3年以内ごとに1回



II. 対象者

● 65歳に達した者




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