第9講 車両法3

第2編 道路運送車両法(車両法)









第9講 車両法3








7. 道路運送車両の点検及び整備

(1) 使用者の点検及び整備の義務(法第47条)

法第47条
自動車の使用者は、自動車の点検をし、及び必要に応じ整備をすることにより、当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない。





(2) 日常点検整備(法第47条の2)

● 業務用自動車の使用者又はこれらの自動車を運行する者は、前項の規定にかかわらず、一日一回、その運行の開始前において(法第48条第2項)、国土交通省令で定める技術上の基準により、灯火装置の点灯、制動装置の作動その他の日常的に点検すべき事項について、目視等により自動車を点検しなければならない(法第47条の2第1項)。



● 自動車の使用者は、点検の結果、当該自動車が保安基準に適合しなくなるおそれがある状態又は適合しない状態にあるときは、保安基準に適合しなくなるおそれをなくするため、又は保安基準に適合させるために当該自動車について必要な整備をしなければならない(法第47条の2第3項)。



日常点検基準(自動車点検基準 別表1)

点検箇所点検内容
1 ブレーキ1 ブレーキ・ペダルの踏みしろが適当で、ブレーキの効きが十分であること。
2 ブレーキの液量が適当であること。
3 空気圧力の上がり具合が不良でないこと。
4 ブレーキ・ぺダルを踏み込んで放した場合にブレーキ・バルブからの排気音が正常
であること。
5 駐車ブレーキ・レバーの引きしろが適当であること。
2 タイヤ1 タイヤの空気圧が適当であること。
2 亀裂及び損傷がないこと。
3 異状な摩耗がないこと。
*4 溝の深さが十分であること。
5 ディスク・ホイールの取付状態が不良でないこと(車両総重量8トン以上又は乗車定員
30人以上の自動車に限る)。
3 バッテリ*液量が適当であること。
4 原動機*1 冷却水の量が適当であること。
*2 ファン・ベルトの張り具合が適当であり、かつ、ファン・ベルトに損傷がないこと。
*3 エンジン・オイルの量が適当であること。
*4 原動機のかかり具合が不良でなく、かつ、異音がないこと。
*5 低速及び加速の状態が適当であること。
5 灯火装置及び方向指示器点灯又は点滅具合が不良でなく、かつ、汚れ及び損傷がないこと。
6 ウインド・ウォッシャ及びワイパー*1 ウインド・ウォッシャの液量が適当であり、かつ、噴射状態が不良でないこと。
*2 ワイパーの払拭状態が不良でないこと。
7 運行において異状が認められた箇所当該箇所に異状がないこと。
*は、当該自動車の走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期に行うことで足りる。





(3) 定期点検整備(法第48条)

● 自動車運送事業の用に供する自動車の使用者は、次の各号に掲げる自動車について、3ヶ月ごとに、国土交通省令で定める技術上の基準により自動車を点検しなければならない(法第48条第1項第1号)。



● 自動車の使用者は、点検の結果、当該自動車が保安基準に適合しなくなるおそれがある状態又は適合しない状態にあるときは、保安基準に適合しなくなるおそれをなくするため、又は保安基準に適合させるために当該自動車について必要な整備をしなければならない(同条第3項)。



(4) 点検整備記録簿(法第49条)

● 自動車の使用者は、点検整備記録簿を当該自動車に備え置き、当該自動車について定期点検又は整備をしたときは、遅滞なく、車両法の規定する所定の事項を記載しなければならない。



● 点検整備記録簿の保存期間は、1年間(法第49条第3項、自動車点検基準第4条第2項)。



(5) 整備管理者(法第50条~法第53条)

① 整備管理者の選任(法第50条第1項・法第52条)

● 自動車の使用者は、自動車の点検及び整備並びに自動車車庫の管理に関する事項を処理させるため、自動車の点検及び整備に関し特に専門的知識を必要とすると認められる車両総重量8トン以上の自動車その他の国土交通省令で定める自動車であって国土交通省令で定める台数以上のものの使用の本拠ごとに、自動車の点検及び整備に関する実務の経験その他について国土交通省令で定める一定の要件を備える者のうちから、整備管理者を選任しなければならない(法第50条第1項)。



● 大型自動車使用者等は、整備管理者を選任したときは、その日から15日以内に、地方運輸局長にその旨を届け出なければならない。これを変更したときも同様である(法第52条)。



② 整備管理者の解任(法第53条)

● 地方運輸局長は、整備管理者がこの法律若しくはこの法律に基く命令又はこれらに基く処分に違反したときは、大型自動車使用者等に対し、整備管理者の解任を命ずることができる。



③ 整備管理者の職務と権限(法第50条第2項)

● 前項の規定により整備管理者を選任しなければならない者(以下「大型自動車使用者等」という。)は、整備管理者に対し、その職務の執行に必要な権限を与えなければならない(法第50条第2項)。



● 法第50条第2項の規定により整備管理者に与えなければならない権限は、次の①~⑨とする(車両法施行規則第32条1項)。
 ① 日常点検について、その実施方法を定め、それを実施すること又は運転者等に実施させること(同項第1号)
 ② 日常点検の実施結果に基づき、自動車の運行の可否を決定すること(第2号)
 ③ 定期点検について、その実施方法を定め、それを実施すること又は整備工場等に実施させること(第3号)
 ④ 上記以外の随時必要な点検について、それを実施すること又は整備工場等に実施させること(第4号)
 ⑤ 日常点検、定期点検又は随時必要な点検の結果から判断して、必要な整備を実施すること又は整備工場等に実施させること(第5号)
 ⑥ 定期点検又は前号の必要な整備の実施計画を定めること(第6号)
 ⑦ 点検整備記録簿その他の記録簿を管理すること(第7号)
 ⑧ 自動車車庫を管理すること(第8号)
 ⑨ 上記に掲げる業務を処理するため、運転者及び整備要員を指導監督すること(第9号)



(6) 整備命令等(法第54条)

● 地方運輸局長は、自動車が保安基準に適合しなくなるおそれがある状態又は適合しない状態にあるときは、当該自動車の使用者に対し、保安基準に適合しなくなるおそれをなくするため、又は保安基準に適合させるために必要な整備を行うべきことを命ずることができる。この場合において、地方運輸局長は、保安基準に適合しない状態にある当該自動車の使用者に対し、当該自動車が保安基準に適合するに至るまでの間の運行に関し、当該自動車の使用の方法又は経路の制限その他の保安上又は公害防止その他の環境保全上必要な指示をすることができる(同条第1項)。



● 地方運輸局長は、自動車の使用者が前項の規定による命令又は指示に従わない場合において、当該自動車が保安基準に適合しない状態にあるときは、当該自動車の使用を停止することができる(同条第2項)。








8. 道路運送車両の検査等

(1) 検査の種類

● 自動車の検査は、①新規検査(法第59条)、②継続検査(第62条)、③臨時検査(第63条)、④構造等変更検査(第67条) 、⑤予備検査(第71条)の5種類がある。



① 新規検査(法第59条)

● 登録を受けていない自動車又は車両番号の指定を受けていない検査対象外軽自動車以外の軽自動車(検査対象軽自動車)若しくは二輪の小型自動車を運行の用に供しようとするときは、当該自動車の使用者は、当該自動車を提示して、国土交通大臣の行なう新規検査を受けなければならない。



② 継続検査(法第62条)

● 登録自動車又は車両番号の指定を受けた検査対象軽自動車若しくは二輪の小型自動車の使用者は、自動車検査証の有効期間の満了後も当該自動車を使用しようとするときは、当該自動車を提示して、国土交通大臣の行なう継続検査を受けなければならない(法第62条第1項)。



● 国土交通大臣は、一定の地域に使用の本拠の位置を有する自動車の使用者が、天災その他やむを得ない事由により、継続検査を受けることができないと認めるときは、当該地域に使用の本拠の位置を有する自動車の自動車検査証の有効期間を、期間を定めて伸長する旨を公示することができる(法第61条の2第1項)。



③ 臨時検査(法第63条)

● 大臣は、一定の範囲の自動車又は検査対象外軽自動車について、事故が著しく生じている等によりその構造、装置又は性能が保安基準に適合していないおそれがあると認めるときは、期間を定めて、これらの自動車又は検査対象外軽自動車について臨時検査を受けるべき旨を公示することができる(第1項)。



④ 構造等変更検査(法第67条)

● 自動車検査証の記載事項について変更があり、保安基準に適合しなくなるおそれがあると認めるときは、国交大臣に構造等変更検査を受けるべきことを命じられる(第1項・第3項) 。詳しくは後述する。



⑤ 予備検査(法第71条)

● 登録を受けていない自動車又は車両番号の指定を受けていない検査対象軽自動車若しくは二輪の小型自動車の所有者は、当該自動車を提示して、国土交通大臣の行なう予備検査を受けることができる(第1項)。



(2) 自動車の検査及び自動車検査証の備付け等

① 自動車車検証

● 自動車(国土交通省令で定める軽自動車(検査対象外軽自動車)及び小型特殊自動車を除く。以下同じ。)は、車両法に定めるところにより、国土交通大臣の行う検査を受け、有効な自動車検査証の交付を受けているものでなければ、これを運行の用に供してはならない(法第58条第1項)。



● 自動車検査証に記載すべき事項は、国土交通省令で定める(同条2項)。



● 自動車は、自動車検査証を備え付け、かつ、国土交通省令で定めるところにより検査標章を表示しなければ、運行の用に供してはならない(法第66条第1項)。



● 検査標章には、国土交通省令で定めるところにより、その交付の際の当該自動車検査証の有効期間の満了する時期を表示するものとする(同条第3項)。



● 検査標章は、当該自動車検査証がその効力を失つたとき、又は継続検査、臨時検査若しくは構造等変更検査の結果、当該自動車検査証の返付を受けることができなかつたときは、当該自動車に表示してはならない(同条第5項)。



② 保安基準適合証等

● 指定自動車整備事業者は、自動車を国土交通省令で定める技術上の基準により点検し、当該自動車の保安基準に適合しなくなるおそれがある部分及び適合しない部分について必要な整備をした場合において、当該自動車が保安基準に適合する旨を自動車検査員が証明したときは、請求により、保安基準適合証及び保安基準適合標章を依頼者に交付しなければならない。 (第94条の5第1項本文)。



● 1項の規定による自動車検査員の証明を受けた自動車が国土交通省令で定めるところにより当該証明に係る有効な保安基準適合標章を表示しているときは、第58条第1項及び第66条第1項の規定は、当該自動車について適用しない(同条第11項)。



(3) 自動車検査証の有効期間

● 自動車検査証の有効期間は、旅客を運送する自動車運送事業の用に供する自動車、貨物の運送の用に供する自動車は1年とする(法第61条第1項)。



● 初めて自動車検査証を交付する場合、自動車検査証の有効期間を1年とされる自動車のうち車両総重量8トン未満の貨物の運送の用に供する自動車は2年とする(同条第2項第1号)。



● 自動車検査証の有効期間の起算日は、当該自動車検査証を交付する日又は当該自動車検査証に有効期間を記入する日とする。ただし、自動車検査証の有効期間が満了する日の1月前から当該期間が満了する日までの間に継続検査を行い、当該自動車検査証に有効期間を記入する場合は、当該自動車検査証の有効期間が満了する日の翌日とする(車輌法施行規則第44条第1項)。



(4) 自動車検査証の記載事項の変更及び構造等変更検査

● 自動車の使用者は、自動車検査証の記載事項について変更があつたときは、その事由があつた日から15日以内に、当該事項の変更について、国土交通大臣が行う自動車検査証の記入を受けなければならない(法第67条第1項本文)。



● 国土交通大臣は、第一項の変更が国土交通省令で定める事由に該当する場合において、保安基準に適合しなくなるおそれがあると認めるときは、当該自動車が保安基準に適合するかどうかについて、これを提示して構造等変更検査を受けるべきことを命じなければならない(同条第3項)。



(5) 再交付

● 自動車又は検査対象外軽自動車の使用者は、自動車検査証若しくは検査標章又は臨時検査合格標章が滅失し、き損し、又はその識別が困難となつた場合その他国土交通省令で定める場合には、その再交付を受けることができる(法第70条)。



● 第70条の規定により自動車検査証の再交付をする場合にあつては、新たに交付する自動車検査証の有効期間は、従前の自動車検査証の有効期間の残存期間とする(法第61条第4項)。




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