第15講 労基法1

第4編 労働基準法(労基法)









第15講 労基法








1. 総則(法第1章)

(1) 労働条件の原則(法第1条)

● 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない(第1項)。



● この法律(労基法)で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない(第2項)。



(2) 労働条件の決定(法第2条)

● 労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである(第1項)。



● 労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない(第2項)。



(3) 均等待遇(法第3条)

● 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。



(4) 男女同一賃金の原則(法第4条)

● 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。



(5) 強制労働の禁止(法第5条)

● 使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。



(6) 中間搾取の排除(法第6条)

● 何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。



(7) 公民権行使の保障(第7条)

● 使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない。但し、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。



(8) 定義

労働者(法第9条)

● この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。



使用者(法第10条)

● この法律で「使用者」とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。



賃金(法第11条)

● この法律で「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。



平均賃金(法第12条)

● この法律で「平均賃金」とは、これを算定すべき事由の発生した日以前3箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。








2. 労働契約(法第2章)

(1) この法律(労基法)違反の契約(法第13条)

● この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となつた部分は、この法律で定める基準による。



(2) 契約期間等(法第14条)

● 労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年(労基法の定める特定の労働契約にあつては、5年)を超える期間について締結してはならない(第1項)。



(3) 労働条件の明示(法第15条)

● 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない(第1項)。



● 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる(第2項)。



(4) 賠償予定の禁止(法第16条)

● 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。



(5) 強制貯金(法第18条)

● 使用者は、労働契約に附随して貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない(第1項)。



● 使用者は、労働者の貯蓄金をその委託を受けて管理しようとする場合においては、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出なければならない(第2項)。



(6) 解雇制限(法第19条)

● 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によつて休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、労基法の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。



(7) 解雇の予告(法第20条)

● 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない(第1項)



(8) 退職時等の証明(法第22条)

● 労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあつては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない(第1項)。



(9) 金品の返還(法第23条)

● 使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があつた場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない(第1項)。








3. 賃金(法第3章)

(1) 賃金の支払(法第24条)

● 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(臨時の賃金等)については、この限りでない(第2項)。



(2) 非常時払(法第25条)

● 使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であつても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。



(3) 休業手当(法第26条)

● 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。



(4) 出来高払制の保障給(法第28条)

● 出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。




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