第18講 実務上の知識1

第5編 実務上の知識









第18講 実務上の知識

1. 平成26年交通安全白書(平成27年度試験用)

交通安全白書は書店等で購入可能であるほか、以下の内閣府のウェブページにて閲覧可能。
http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h26kou_haku/index_pdf.html

(1) 道路交通事故の長期的推移

● 交通の安全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱である交通安全基本計画は、昭和46年度の第1次から始まり、現在は平成23年度から平成27年度までの5年間を計画期間とする第9次交通安全基本計画が実施されている。



● 第9次交通安全基本計画においては、平成27年までに年間の交通事故死者数を3,000人以下、死傷者数を70万人以下とすることを目標にしている。平成25年の年間死者数は4,373人、年間死傷者数は785,867人。



(2) 平成25年中の道路交通事故の状況

● 交通事故による死者数は13年連続で減少となり,ピーク時(昭和45年)の3割以下となり,交通事故発生件数及び負傷者数も9年連続で減少した。しかしながら,交通事故死者数の前年比減少率はわずかにとどまり,高齢者の死者数が平成13年以来12年ぶりに増加している。



● 交通事故死者数を状態別にみると、歩行中が最も多く、次いで自動車乗車中となっており、両者で全体の約7割を占めている(下 図1)。

図1 交通安全白書・状態別交通事故死者数(平成25年)
白書の図1 - 1



● 交通事故負傷者数を状態別にみると,自動車乗車中が最も多く,全負傷者数の65.3%を占めており,次いで自転車乗用中が15.3%となっている(下 図2)。

図2 交通安全白書・状態別交通事故負傷者数の推移(平成25年まで)
白書の図2 - 1



● 高速自動車国道等は自動車専用の道路であり,原則として平面交差がないことなどから事故率は低い。しかし,高速自動車国道等は高速走行となるため,わずかな運転ミスが交通事故に結びつきやすく,事故が発生した場合の被害も大きく,関係車両や死者も多数に及ぶ重大事故に発展することが多い。このため,交通事故発生件数に占める死亡事故件数の割合(死亡事故率)は,その他の道路より高くなっている。



● 自転車乗用中及び歩行中の死者数は、65歳以上の高齢者が他の年齢層に比べ圧倒的に多くなっている。



● 第1当事者の法令違反別の交通死亡事故発生件数は、安全運転義務違反が大半を占め、中でも漫然運転が最も多く、次いで脇見運転、運転操作不適、安全不確認の順になっている(下 図3)。

図3 交通安全白書・法令違反別(第1当事者)死亡事故発生件数(平成25年)
白書の図3 - 1



● 交通事故発生件数,交通事故死者数ともに12月がピークとなっており,年の後半に多くなる傾向が続いている



2. 自動車運転の基礎知識

(1) 停止距離

● クルマは急には止まれないというが、実際運転者が何らかの危険を認知してブレーキをかけたとしても、自動車が止まるまでには一定の距離が必要になる。その危険認知から停止までに自動車が走る距離のことを停止距離という。



● 停止距離は空走距離と制動距離に分けられる。自動車が停止するまでには、①危険認知、②ブレーキをかける、③ブレーキが効き自動車が減速する、④自動車が停止するという段階を踏むが、①~②の部分を空走距離といい、③~④の部分を制動距離という。



① 空走距離

● 空走距離とは、危険を認知してブレーキが必要と判断した時点から、ブレーキを踏む動作をし、実際にブレーキが効き始める時点までに自動車が走る距離のことである。また、その判断からブレーキが効き始めるまでにかかる時間を反応時間(空走時間)という。



● 空走距離は、反応時間(s)×制動前の車速(m/s)で求められる。



● 空走距離は車速に比例して長くなる。



② 制動距離

● 制動距離とは、ブレーキが効き始めてから、自動車が停止するまでに走る距離のことである。



● 制動距離は、制動前の車速(km/h)の二乗÷(254×摩擦係数)で求められる。



● 制動距離は車速の二乗に比例して長くなる。



(2) 内輪差

● 自動車のハンドルを切り旋回した場合、左右及び前後輪はおのおの別の軌跡を通る。ハンドルを左に切った場合、左側の後輪が左側の前輪の軌跡に対し内側を通ることとなり、この前後輪の軌跡の差を内輪差という。ホイールベースの長い大型車ほどこの内輪差が大きくなる。したがって、このような大型車を運転する運転者に対し、交差点での左折時には、内輪差による歩行者や自転車等との接触、巻き込み事故に注意するよう指導する必要がある。



(3) 視界・死角

① 視界・見え方

● 前方の自動車を大型車と乗用車から同じ距離で見た場合、それぞれの視界や見え方が異なり、運転席が高い位置にある大型車の場合は車間距離に余裕があるように感じ、乗用車の場合は車間距離に余裕がないように感じやすくなる。したがって、運転者に対して、運転する自動車による車間距離の見え方の違いに注意して、適正な車間距離をとるよう指導する必要がある。



● 交通事故の中には、二輪車と四輪車が衝突することによって発生する事故が少なくない。このような事故を防止するためには、四輪車の運転者から二輪車が、二輪車の運転者から四輪車がどのように見えているのか理解しておく必要がある。四輪車を運転する場合、二輪車に対する注意点として、(1)二輪車も四輪車と同じように急に停車できない。(2)二輪車は死角に入りやすく、その存在に気づきにくい。(3)二輪車は速度が遅く感じたり、距離が実際より遠くに見えたりする。したがって、運転者に対して、このような二輪車に関する注意点を指導する必要がある。



● 自動車の速度が速くなるほど、運転者の視野は狭くなり、遠くを注視するようになるために、近くは見えにくくなる。したがって、速度を出しすぎると、近くから飛び出してくる歩行者や自転車などを見落としやすくなることから、速度の出し過ぎに注意するよう運転者に対し指導する必要がある。



② 死角

● ある角度からはどうしても見えない範囲のことをいい、自動車運転時の死角とは自動車の運転者が直接見ることができない範囲をいう。



● 自動車は、運転者が直接見ることが出来ない箇所に対して後写鏡やアンダーミラー等を備えるなどして構造上の死角が少なくなるよう設計されているが、なお、死角は存在する。その他にも前走車、対向車など他の交通による死角、道路構造、建物、樹木等道路環境による死角、夜間走行時の死角等があるので、運転者に対して、これらの死角の特性に十分注意して運転するよう指導する必要がある。



(4) 悪条件下の運転

● 薄暮時には事故が多く発生するので、早めにライトを点灯し、他の自動車や歩行者等に自分の自動車の存在を知らせるようにする。



● 自動車の夜間の走行時においては、自車のライトと対向車のライトで、道路の中央付近の歩行者や自転車が見えなくなることがあり、これを蒸発現象という。蒸発現象は暗い道路で特に起こりやすいので、夜間の走行の際には十分注意するよう運転者に対し指導する必要がある。



● 夜間、対向車線の自動車のヘッドライトを直接目に受けると、まぶしさのため一瞬目が見えなくなることがある。これを幻惑現象という。対向車のライトがまぶしいときは、視点をやや左前方に移して、目がくらまないようにするよう運転者に対し指導する必要がある。もしその状況になった場合には、必要に応じ停止する等の対処が必要になる。



● 暗いところから急に明るいところへ出ると、まぶしくて見えにくくなり、目が慣れて通常どおり見えるようになるのに時間がかかる。これを明順応という。反対に、明るいところから急に暗いところへ入ったときは暗くて見えにくくなり、やがて目が慣れて少しずつ見えるようになる。これを暗順応といい、明順応より更に時間がかかる。トンネルに入る場合等、注意するように運転者に対し指導する必要がある。



● 霧が発生したときは視界が悪くなるので、前照灯を下向きに点灯して、センターラインやガードレール、直前の自動車の尾灯を目安にし、速度を落として慎重な運転をするようにする。




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