第2講 貨運法2

第1編 貨物自動車運送事業法(貨運法)







8. 輸送の安全(法第17条)

法第17条
一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の数、荷役その他の事業用自動車の運転に附帯する作業の状況等に応じて必要となる員数の運転者及びその他の従業員の確保、事業用自動車の運転者がその休憩又は睡眠のために利用することができる施設の整備、事業用自動車の運転者の適切な勤務時間及び乗務時間の設定その他事業用自動車の運転者の過労運転を防止するために必要な措置を講じなければならない。





(1) 事業者の責務

● 一般貨物自動車運送事業者は、
 ① 事業用自動車の最大積載量を超える積載をすることとなる運送(以下「過積載による運送」という。)の引受け、
 ② 過積載による運送を前提とする事業用自動車の運行計画の作成及び
 ③ 事業用自動車の運転者その他の従業員に対する過積載による運送の指示をしてはならない。(第17条第2項)



● 一般貨物自動車運送事業者は、輸送の安全を確保するため、国土交通省令で定める事項を遵守しなければならない。 (第17条第3項)



● 事業用自動車の運転者及び運転の補助に従事する従業員は、運行の安全を確保するため、国土交通省令で定める事項を遵守しなければならない。 (第17条第4項)



● 貨物自動車運送事業者は、経営の責任者の責務を定めることその他の国土交通大臣が告示で定める措置を講ずることにより、絶えず輸送の安全性の向上に努めなければならない(安全規則第2条の2)。



● 一般貨物自動車運送事業者等は、毎事業年度の経過後100日以内に、
 ① 輸送の安全に関する基本的な方針、
 ② 輸送の安全に関する目標及びその達成状況、
 ③ 自動車事故報告規則に規定する事故の統計、
以上の①~3について、インターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならない。 (安全規則第2条の8第1項)



● 一般貨物自動車運送事業者等は、貨運法の規定による処分(輸送の安全に係るものに限る。)を受けたときは、遅滞なく、当該処分の内容並びに当該処分に基づき講じた措置及び講じようとする措置の内容をインターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならない。 (安全規則第2条の8第2項)



● 一般貨物自動車運送事業者等は、事業計画に従い業務を行うに必要な員数の事業用自動車の運転者を常時選任しておかなければならない。運転者は、日々雇い入れられる者、二月以内の期間を定めて使用される者又は試みの使用期間中の者(十四日を超えて引き続き使用されるに至った者を除く。)であってはならない。(安全規則第3条第1項・第2項)



● 事業者は、乗務員及び事業用自動車の運転の補助に従事する従業員(以下、乗務員という)が有効に利用することができるように、休憩に必要な施設を整備し、及び乗務員に睡眠を与える必要がある場合にあっては睡眠に必要な施設を整備し、並びにこれらの施設を適切に管理し、及び保守しなければならない。(安全規則第3条第3項)



● 貨物自動車運送事業者は、休憩又は睡眠のための時間及び勤務が終了した後の休息のための時間が十分に確保されるように、国土交通大臣が告示で定める基準に従って、運転者の勤務時間及び乗務時間を定め、当該運転者にこれらを遵守させなければならない。(安全規則第3条第4項)



● 貨物自動車運送事業者は、酒気を帯びた状態にある乗務員を事業用自動車に乗務させてはならない。(安全規則第3条第5項)



● 貨物自動車運送事業者は、乗務員の健康状態の把握に努め、疾病、疲労その他の理由により安全な運転をし、又はその補助をすることができないおそれがある乗務員を事業用自動車に乗務させてはならない。(安全規則第3条第6項)



● 一般貨物自動車運送事業者等は、運転者が長距離運転又は夜間の運転に従事する場合であって、疲労等により安全な運転を継続することができないおそれがあるときは、あらかじめ、当該運転者と交替するための運転者を配置しておかなければならない。(安全規則第3条第7項)



● 特別積合せ貨物運送を行う一般貨物自動車運送事業者は、当該特別積合せ貨物運送に係る運行系統であって起点から終点までの距離が100キロメートルを超えるものごとに、
 ① 主な地点間の運転時分及び平均速度、
 ② 乗務員が休憩又は睡眠をする地点及び時間、
 ③ 交替するための運転者を配置する場合にあっては、運転を交替する地点
の①~③について事業用自動車の乗務に関する基準を定め、かつ、当該基準の遵守について乗務員に対する適切な指導及び監督を行わなければならない。(安全規則第3条第8項)



● 貨物自動車運送事業者は、過積載による運送の防止について、運転者その他の従業員に対する適切な指導及び監督を怠ってはならない。 (安全規則第4条)



● 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車に貨物を積載するときは、
 ① 偏荷重が生じないように積載し、また、
 ② 貨物が運搬中に荷崩れ等により事業用自動車から落下することを防止するため、貨物にロープ又はシートを掛けること等必要な措置を講じなくてはならない。(安全規則第5条)



● 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の保管の用に供する自動車車庫を適切に確保しておかなければならない。(安全規則第6条)



● 一般貨物自動車運送事業者は、貨物自動車利用運送を行う場合にあっては、その利用する運送を行う事業者が貨物自動車運送事業法の規定又は安全管理規程を遵守することにより輸送の安全を確保することを阻害する行為をしてはならない。(法第22条の2)



● 国土交通大臣は、一般貨物自動車運送事業者が、貨運法の規定又は安全管理規程を遵守していないため輸送の安全が確保されていないと認めるときは、当該一般貨物自動車運送事業者に対し、必要な員数の運転者の確保、事業用自動車の運行計画の改善、運行管理者に対する必要な権限の付与、貨物自動車利用運送を行う場合におけるその利用する運送を行う一般貨物自動車運送事業者又は特定貨物自動車運送事業者の輸送の安全の確保を阻害する行為の停止、当該安全管理規程の遵守その他その是正のために必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。(法第23条)



● 大臣は、事業者が過積載による運送を行ったことにより、貨物自動車運送事業法の規定による命令又は処分をする場合において、
 ① 当該命令又は処分に係る過積載による運送が荷主の指示に基づき行われたことが明らかであると認められ、かつ、
 ② 当該事業者に対する命令又は処分のみによっては当該過積載による運送の再発防止することが困難であると認められるときは、
当該荷主に対しても、当該過積載による運送の再発の防止を図るため適当な措置を執るべきことを勧告することができる。(法第64条1項)



(2) 乗務員が遵守すべき事項(安全規則第16条~第17条)

① 乗務員(安全規則第16条)

● 貨物自動車運送事業者の乗務員は、事業用自動車の乗務について、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
 ① 酒気を帯びて乗務しないこと。
 ② 過積載をした事業用自動車に乗務しないこと。
 ③ 事業用自動車に貨物を積載するときは、適切に積載すること。
 ④ 事業用自動車の故障等により踏切内で運行不能となったときは、速やかに列車に対し適切な防護措置をとること。

② 運転者(安全規則第17条)

● 貨物自動車運送事業者の運転者は、前条に定めるもののほか、事業用自動車の乗務について、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
 ① 酒気を帯びた状態にあるときは、その旨を貨物自動車運送事業者に申し出ること。(第1号)
 ①-2 疾病、疲労その他の理由により安全な運転をすることができないおそれがあるときは、その旨を貨物自動車運送事業者に申し出ること。(第1号の2)
 ② 道路運送車両法の規定による点検(日常点検)を実施し、又はその確認をすること。(第2号)
 ③ 乗務を開始しようとするとき、必要な場合の乗務の途中及び乗務を終了したときは、貨物自動車運送事業者が行う点呼を受け、貨物自動車運送事業者に報告をすること(第3号)。
 ④ 乗務を終了して他の運転者と交替するときは、交替する運転者に対し、当該乗務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況について通告すること(第4号)。
 ⑤ 他の運転者と交替して乗務を開始しようとするときは、当該他の運転者から前号の規定による通告を受け、当該事業用自動車の制動装置、走行装置その他の重要な装置の機能について点検をすること(第5号)。
 ⑥ 乗務等の記録(記録すべき事項を運行記録計による記録に付記する場合にあっては、その付記による記録)をすること(一般貨物自動車運送事業者等の運転者に限る)(第6号)。
 ⑦ 一般貨物自動車運送事業者等が作成する運行指示書を乗務中携行し、運行指示書の記載事項に変更が生じた場合に携行している運行指示書に当該変更の内容を記載すること(第7号)。
 ⑧ 踏切を通過するときは、変速装置を操作しないこと(第8号)。
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